Pocket

5/4

ロンドンへ行くために早めに起床し準備を始める。

朝食のパンも食べ、いよいよ移動。

外はひどい雨だった。

地下鉄へ向かう。

最寄りの出入り口に飛び込むが、封鎖されている。

あれ?

土曜の朝はここは入れないのだろうか…

別の入り口を見てみる。

そこも封鎖…これは何かあると思い、調べてみた。

デモだ。黄色いベスト運動のデモが丁度あったため、朝から地下鉄は封鎖されていた。

どうりで人が少ないわけだ。

 

天気も悪いが、土曜とはいえ異様に人が少なかった。

地下鉄が使えない以上、ユーロスター発着駅までは別の手段が必要になる。

考えたが、確実なのはタクシー。

今回、boltというシステムを使ってみた。

 

自分の位置と運転手の位置をGPSで割り出し、迎えに来てくれる。車種やドライバーの名前、顔までわかる。

早速呼ぶ。

なんとプジョーが来た。

 

後部座席が広い…贅沢である

市内はあちこちバリゲードで塞がれ、警察車両も警察官も多数配置されていた。

黄色いベスト運動は確かに激化していると聞いたが、ここまでとは…。(今となっては懐かしい話。そもそもパリはデモが多いそうです)

後日のニュースではかなり規模が小さかったそうだが、不安感はあった。

無事駅にたどり着き、残り2時間ほどとりあえず時間を潰す…コーヒー飲んだり本屋で立ち読みしたりしたが、一つ不安な点を思い出した。

紙チケットである。

提示のためにエミレーツ航空の方はプリントアウトしてあったのだが、イギリスからアイスランドへの移動の方はまだeチケットがメールで来てないこともあり、必要ない(もしくはメールを見せればいい)と思っていた。

が、ここに来て急に不安になってきた。

 

イギリスである。

イギリスの入国審査である

 

準備するに越したことはない。

駅の中で漫画喫茶、あるいはコピー、プリントサービスがある所を探す。

が、どこにもない。

絶対需要あるから置けばいいのに…。

 

結果、雨の降る中、通りを挟んだプリントショップに向かう。

PCとコピー機が並んでいた。

 

ヨーロッパのキーボードは配列が微妙に違い、打ちづらい…。

 

とりあえず手こずったもののコピーは終了。

駅に戻ると、既に搭乗手続きは始まっていた。

慌てて並ぶ。

 

書類をいつでも出せるように準備する…。

まずフランスの出国審査。

めちゃくちゃフレンドリー。審査官も笑顔である。

 

問題はここから…四つある審査スペースのうち、使われていたのは3つ。

厳しい人に当たりませんように…そんなことを考えていると、自分の番が来た。

パスポートと、前日書いておいた入国の書類を渡す。

「目的は?」

「観光!」

「何日間いるんだ?」

「3日!」

「そのあとは?」

「アイスランドに向かう!」

「OK」

あっけなかった。

 

用意した書類を使うことはなかった。

しかし、用意しておくに越したことはないだろうと思う。

僕はあらかじめ予定を決めていたこともあり、サクサクと進めることができたが、前に並んでいた2組の日本人は、帰りのチケットを買っていなかったり、他の理由で少し手間取っていた。

入国カードをしっかり記入していたことも大きかったのだろう。

拍子抜けのレベルだったが、とりあえず名目上はこれでイギリスに入国したことになる。ユーロスターでイギリスのセントパンクラス駅に到着しても、入国審査は無い。そのまま動けるのである。

手荷物検査を終え、1時間半ほどの時間を潰した。

しかし高い…炭酸水、そしてチキンを挟んだバゲットで700円超えである。(この後、アイスランドで更に大変なことになるのをこの時は知る由もなかった)

適当に時間を潰し、いよいよユーロスターへ乗車。電車は楽である。

いよいよロンドンである。

アメリカのミュージシャンからも強く影響は受けているが、ビートルズ、ストーンズ、ツェッペリン、ピストルズ、ピンクフロイド、モーターヘッド、スミス、ローゼズ、オアシス、リバティーンズ…やはりイギリスから受けた影響はデカい。

それだけに、近づくにつれてワクワクもしてきた。

2時間半。

イギリスは時差が-1時間のため、着いても1時間半しか経っていない事になる。

着いた。ロンドンである。

地下鉄のチケットを買い、とりあえずホステルへ。ありがたいことに一本で行ける場所にあった。

コテージ風のホステルで、駅にも近く、スーパーも目の前。

とりあえずチェックイン後、すぐに着替えて古着散策に出る。

イギリスでは古着屋もあるが、チャリティーショップという、寄付された服や雑貨を売り、それを寄付金として財団に回すという形態の店が多くある。

当然、品数は普通の古着屋には劣るものの、高級住宅街などではセレブが寄付に来ることもあり、掘り出し物が安くあることもある、と聞いた。

知ったきっかけはブラーのベーシスト、アレックスのファッションのドキュメンタリーで、以前から気になってはいた。

https://amzn.to/3LxMIaJ

 

とりあえずハイストリートであるノッティングヒルに向かう。

店はあまり無い。元々チャリティーショップは規模は大きく無いが、欲しいものはなく、しかも天気が安定しない。

 

晴れたと思ったら曇ってきて、土砂降り、雹まで降る始末。その後すぐに曇り、晴れという忙しさ

結局この日は収穫のないままホステルに戻った。

シャワーを浴び、

併設のバーでマグナーを飲む。

酒は殆ど飲まなくなったのだが、せっかくイギリスだし、軽く一杯と思って頼んだ。

ビールかと思ったらシードルで、飲みやすくてうまい。

後ろから日本語で話しかけられた。

この日はボスニアで買ったマノウォーのバンTを着ていたが、それで話しかけられた。

アルというベネズエラ出身のにいちゃんで、ロンドンで働いているらしい。

所謂「弾いてみた」の動画をアップしており、メタルやメタル調のアニソンの曲を弾いていた。なるほどうまい。

日本に一年留学していたそうで、ほとんどペラペラ。

少し話して、いい感じに酔えた事もあって眠った。