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起床。 朝食を1階で5ユーロ払って食べた。
プレッツェル、でかい・・・。
日本でプレッツェルといえばプチシリーズしか見たことがなかったので、とても驚いた。(あといわゆるプリッツ)
あまり味への拘りがないこともあるが、これは口に合わない、という朝食は今の所ない。
どこも美味しいと思う。
そそくさと準備をし、ミュンヘンを後にする。
月曜だったこともあり、美術館が開いていなかった。
ゴッホのひまわり、見たかった・・・。
とりあえずベルリンに移動。
4時間ほど。
その前に、2件だけだが古着屋を廻れた。
しかし、イマイチ・・・。
品揃えが悪いとかではなく、サイズが合わないので難しい。
とりあえず諦め、ベルリン行きの電車に乗る。
ドイツは改札などがないため、ユーレイルパスを持っている僕は車内のチェックのみで済む。これは地味だがありがたい。
ドイツのICEという高速鉄道は予約している座席の場合、発着点が座席に付いているミニディスプレイに表示されるようになっている。
ない場合は、自由席。
最初、そのシステムがわからず(一等車と二等車の区別もよくわからなかった)他の乗客に聞いたりもした。
慣れればなんということはないのだが・・・。
4時間はあっという間に過ぎた。
寄りたい古着屋、行きたい場所を調べていると、時間はすぐに過ぎていった。
ベルリン着。
トラムに乗り、ホステルへ向かう。
しかし、チケットの買い方が分からない。
いろいろ調べてみると、駅や車内でチケットを買い、バス、トラム、地下鉄などはすべて共通チケットらしい。
しかし、トラム車内の券売機は小銭のみ。
一日券もあるのだが、7ユーロ。
・・・財布に7ユーロも小銭があるわけもなく。
仕方なく、1方向のみの2時間チケットを買う。
ホステルはトラム駅の目の前だった。
チェックインを済ませる。
そこそこの値段なこともあるが、綺麗だ。
ベッドにはコンセントとUSBポートが別にある。
一階はカフェ、地下はバー。
準備を済ませ、すぐに古着屋巡り。二日間の滞在だったため、名所や美術館は翌日行くことにした。
トラムに乗り込む。
ビルの5階まですべて古着屋という巨大な建物へ向かう。
女性服、子供服、メンズ、ヴィンテージ、セール品・・・ジャンル別に分かれていた。
しかし、いいなーというものがあっても、やはりサイズが合わない・・・。
古着というのは面白いもので、大きくて量のあるところで気にいる物が見つかるとは限らない。
反面、小さなところでも見つかるときは見つかる。
わざわざ海外で古着屋を巡るのは、一点ものとの出会いのためでもある。
そして、やはりサイズがでかい。
レディースでも肩が合わなかったりする。
ストロークスのメンバーやアヴリルラヴィーンなど、よく海外のミュージシャンが日本に来た時に服を買い込むことがあるらしいが、よくわかる気がした。日本の服のサイズは、向こうで細身や小柄な人にはジャストサイズなのだろう。
他もいくつか回る。
量り売りのところもあった。
しかし、量は多いがやはりサイズが合わない・・・。
今回狙っているのはオーバーサイズのTシャツ、ローマで買い逃したため、レザージャケット、ノーカラーのデニムジャケット、街中でしている人が多く、いいなーと思ったストール。
ボトムスやスニーカーはかさばりまくるため諦めた。
ドイツの夜は長い。平気で夜8時ごろまで明るく、9時過ぎでやっと夜、という雰囲気だ。
これだ、というものはなかった。
とりあえず名所をいくつか廻ろうと、イーストサイドギャラリーへ向かう。
ベルリンの壁はそのほとんどが撤去されたが、歴史的建造物であるがゆえ、一部は残されている。
イーストサイドギャラリーはその最たる例で、1キロ弱に渡り残されていた。
初めてベルリンの壁を前にした感想は、「あれ、低い?」
思ったほど高くはない、というのが正直な感想で、登ろうと思えば簡単に登れそうである。
TBSの人気番組、SASUKEの「そり立つ壁」というのがあるが、せいぜいあの程度、といった感じ。
しかし、この壁を越えるために100人以上が銃弾に身を晒し、壁から戻ることも壁を越えることもなかった。
壁はキャンバスとして、当時から西側からはアートの対象物として捉えられていたらしい。
現在描かれている絵は当時のものではないそうだが、メッセージ性のある作品が多かった。
イーストサイドギャラリーを超え、ふと電柱に貼られたビラに気づく。
ラモーンズのロゴだ。
1970年代、圧倒的な演奏力や構成力で作品を作り上げるバンドが多い中、シンプルでキャッチーなメロディで登場したラモーンズ。
パンク、といえばステレオタイプの原型を作ったのはシド・ヴィシャスやセックス・ピストルズだろうが、彼らもまた、ラモーンズからの影響が大きいことで知られる。
僕自身も大学に進学した頃にラモーンズを知り、簡単なコードさえ覚えればコピーができる彼らの音楽に影響された。
技術的に不可能だったのかもしれないが、不必要なものを取り除き、楽曲そのものの骨格を浮き立たせる、「引きの美学」のような彼らの音楽性は、その後もジャンル問わず様々なミュージシャンに影響を与えている。
ラモーンズのファンサイトを覗いていた時に、ベルリンにミュージアムがあるという噂を聞いたことがある。
イーストサイドギャラリーからもほど近く、折角なので寄ってみることにした。
中ではミニライブが行われていた。
女性バンドで、アコースティック・パンクのような雰囲気。
重なり合ったコーラスが美しい。
それを横目に、観覧料の5ユーロを払って中に入る。
小さな缶バッチをもらえた。
中は予想以上のコレクションの量だった。
各種コンサートやツアーのポスター、Tシャツ、ディーディーラモーンが使用していたベースアンプ、ジョーイラモーンの使用したマイクスタンド、履いていたジーンズ、果ては彼が住んでいたニューヨークのアパートから譲られたであろうテレビまであった。
来日公演のフライヤーもあった。
すべてのアルバムを聞いたわけではない自分でも、5ユーロの価値は十分にあったと思った。
また、1ドリンクで7ユーロ、Tシャツ付きで25ユーロのプランもあった。
ミュージアムを後にし、帰路につく。
9時半を過ぎていて、流石に周囲は暗かった。
電車を乗り継ぎ、ホステルへ戻る。
部屋には、日本人がいた。
10日ぶりに日本語を話した気がする。
シャワーを浴び、眠る・・・。