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THE STONE ROSES ジョン・スクワイアとは

The Stone Roses – I Wanna Be Adored (Official Video)

エフェクター編はこちらから。

1989年にリリースされた1stアルバム「THE STONE ROSES」そしてラストアルバムとなった1995年リリース「SECOND COMING」を残し1996年に解散、伝説となったバンド、THE STONE ROSES

その後、各メンバーのソロ活動などを経て2011年に再結成を発表し、ワールドツアーを行うなど世界的に人気を誇ります。

日本でも高い人気を誇り、2012年のフジロック・フェスティバルのヘッドライナーを務め、翌年のSONIC MANIAでもヘッドライナーとして来日。

2017年春には単独で日本武道館2days公演を行っています。

ダンスミュージックとロックを混ぜ合わせ、OasisやThe Libertinesなどのイギリスのロックシーンを牽引する役を引き受けることとなったバンドにも強く影響を与えました。

Oasisのノエルギャラガーが行ったローゼズのライブに、偶然リアムも居て、共に強く影響を受けたのは有名な話です。

今回は、そのギタリストであるジョン・スクワイアの機材に迫ります。

ジョン・スクワイアの音

The Stone Roses – I Wanna Be Adored (Official Video)

ジョン・スクワイアと言えば、ダンサブルでありながら、切なくなるような甘いメロディも同居したストーンローゼズにおいて、バンドを体現化している特徴的なギターサウンド。

ジミーペイジやジミ・ヘンドリックスに影響を受けた非常にオーソドックスなプレイスタイルながら、空間系や揺れ物系を多用したそのサウンドは、イギリスのみならず日本においても多くのフォロワーを生み出しました。

最近は本人も言及することが少ないのであまり知られていませんが、LUNA SEAのINORANやJが強く影響を受けています(INORANは自身のソロライブでローゼズのmade of stoneをカバーしています)。

現在はオルタナティヴ・ロックからの影響を強く受けたサウンドであるため、やや以前とは異なりますが、LUNA SEA終幕前のINORANの空間系や揺れ物を重視した使用機材やサウンドにも、その影響が見て取れます。

再現するなら

そんなジョン・スクワイアの機材ですが、基本的にはシンプルなサウンド。

各機材の詳細やアンプのセッティングなどは後述、エフェクターに関しては別記事でご紹介しますが、ざっくりと説明すると、THE STONE ROSESの1stアルバムのツアーでは、ライブでのアンプはメサブギー、エフェクターはコーラスとフランジャー、リバーブが多くの楽曲で使用されており、これをベースに、

低音弦のリフが中心だったり、ダンサブルな楽曲

→FUZZ FACEとストラトキャスターを使用。

幻想的なアルペジオを奏でる楽曲

→FUZZ FACEはなし。グレッチ、またはヘフナーなどの、ハムバッカータイプを使用。

というのがライブでの特徴です。

1stアルバムのレコーディングでのギターは基本的に1960年製のピンクカラーのフェンダー・ストラトキャスターを使用し、ライブでは1964年製のグレッチ・カントリージェントルマン、自身でペイントしたカール・ヘフナーのT4S or T4STを使用。

2ndアルバムでは1stの幻想的な雰囲気とは異なり、かなりジミーペイジを強く意識している音作りのため、1959年製のギブソン・レスポール・スタンダードを使用。

 

 

 

 

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解散後のシーホーセズでは57年製のゴールドトップのギブソン・レスポールを使用。57年製だがピックアップはハムバッカーに交換。

こちらはローゼズの再結成ライブでも使用されていた。

他にゴードンスミスの12弦ギター、シーホーセズのボーカルであるクリスが所有していた71年製のテレキャスターを使用。
同時期のライヴでは59年製の3PUのレスポール・カスタムを使用。

アンプはヴィンテージのフェンダー・ツインリバーブ(銀パネル)とメサブギーを使用。初期はツインリバーブを使用していましたが、89年のツアー途中からメサブギーのMarkⅢやQuadというラックタイプのアンプを使うことに。

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ペダルは

・Ibanez Tube screamer(オーバードライブ)

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・Maxon,CS-9(コーラス)

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・Dallas ArbiterのFUZZ FACE(ファズ)

70's Dallas Arbiter Fuzz Face Sound Demo Vol.3 /Jimi Hendrix Isle Of Wight Style by fuzzfaceexp

 

 

・BOSSのBF-2(フランジャー)

1983 Boss BF-2 Flanger: Andy's Vintage Picks | Reverb Tone Report

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・ALESISのMIDIVERB Ⅱ(リバーブ、ディレイ、コーラス、フランジャーを含むマルチエフェクター)が主に使用されました。

Alesis Midiverb 2 – Guitar Demo

ツアーではワウを初めとしてもう少し多くのペダルを使用していますが、音の核とも言えるのはやはりオーバードライブコーラスペダル、フランジャー、リバーブ、ファズでしょう。

特にコーラスのBOSS CS-9はローゼズのみならず、ローゼズに代表されるマッドチェスター・ムーブメントの代表的サウンドとも言われています。

では、詳しく機材をご紹介します。

GUITAR

・Fender Stratocaster 1960

 

 

1stアルバムでメインギターとして使用された60年代のフェンダー・ストラトキャスター。

非常にレアなピンクカラーであり、ジョンと全く同じものを見つけるのは難しい。

現行ではフェンダー・ジャパンからピンク色で62年モデルのストラトがリイシューされているので、そちらの入手は比較的簡単。

もともとはグレッチ・カントリージェントルマンをメインギターとしており、レコーディングでもそちらを使う予定だったのだが、プロデューサーであるジョン・レッキーに「グレッチは音が悪いからやめてくれ」と言われ、このストラトを使用。

ジョンはジミ・ヘンドリックスのファンでもあるため、ストラトも愛用。

ライブでは「Where Angels Play」や、「Standing Here」、「I Am the Resurrection」などで使用。

・Gretsch Country Gentleman 1964-65

ライブではかなり頻繁に使用されていた、ジョンのメインであるグレッチ・カントリージェントルマン。64-65年製。

6120や6119と並ぶグレッチの代表的な機種であり、ビートルズのジョージ・ハリスンが使用していたことでも有名。

グレッチのホロウボディギターの特徴でもあるFホールは無く、シミュテイテッドFホール・・・つまり、Fホールがボディに描かれている。Fホールがないためハウリングにも強い。

また、ジョンのカントリージェントルマンに搭載されているピックアップは、フロントがスーパートロン、リアがフィルタートロンとなっている。

フィルタートロンはグレッチによく搭載されているハムバッカーのピックアップで、スーパートロンはブレードタイプのピックアップ。

ブレードタイプのため音切れがしにくく高出力なのが特徴。

現行品のカントリージェントルマンで、ダブルカッタウェイ仕様にスーパートロンがデフォルトで搭載されたモデルは存在しないため、本格的に似せる際はリプレイスメントの必要がある。

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そして、カントリージェントルマンの最も大きな特徴として、ダブルミュートシステムが挙げられる。

これはテールピースのすぐ横にあるレバーを動かすことにより、右手でミュートしなくてもブリッジとの間にあるスポンジが上下し、自動でミュートしてくれるというもの。

よく似た形の6120ナッシュビルのダブルカッタウェイという機種もあるが、材質やピックアップは同じで、ボディの大きさと厚さ、(6120はボディが小さく厚い、カントリージェントルマンはボディが大きく薄い)そしてミュートが一つだけか、二つか、という違いがある。

前述の通りプロデューサーのジョンレッキーから使用禁止を言い渡されてしまったため1stアルバムのレコーディングには使用されなかったが、ライブでは「I Wanna Be Adored」や「Sally Cinnamon」、「Made Of Stone」などのメロディアスな楽曲を中心に使用されることが多かった。

再結成後は使用しておらず、代わりにギブソン・レスポールを使用していることが多い。

また、Oasisの1stアルバム「Definitely Maybe」の最後の曲「 Married with Children」にジョンが参加しているが、その際にもこのグレッチを使用した。

・HOFNER T4S or T4S

HÖFNER T 2 S Thin ca 1978

ビートルズのポール・マッカートニーの使用しているバイオリン・ベースで知られるカール・ヘフナー社のセミアコースティックギター。

見た目的にもかなりGibsonのES-335を意識していることがわかる。

70年代に製造されたが、一説によると生産がほとんどされないまま終わった短命モデル。

シリーズとしてT2やT6などもあった模様。

ジョンはセミホロウ、フルホロウのギターが気に入っていたようで、これをジャクソン・ポロックに影響を受けたスタイルでペインティング。ライブや「Fools Gold」のPVで使用していたほか、グレッチと併用。

・Fender Jaguar Custom

The Stone Roses – One Love (Official Video)

一応、ジャガー・・・なのだが、かなりカスタマイズされており、形すらジャガーの形からやや逸脱している。

ジョンがフェンダーに製作を依頼したそうで、途中までは普通のジャガーとして制作されていたものの、当時ギブソンのフライングVのようなサウンドを必要としていたジョンのリクエストにより、ギブソンのハムバッカーが搭載されることに。

さらに元々ジャガーに搭載されているテールピースはそのままに、シンクロナイズド・トレモロユニットが追加された。

カッタウェイはもともとのジャガーより深く削られ、ストラトのようなカッタウェイに。

しかしスイッチ類やボリューム回りなどはそのままのため、かなり特異なヴィジュアルに。

ホワイトとサンバーストが製作された。

出典:NGD

こちらはそれを基にファンがオーダーしたジャガー。

相当独特な事がわかる。

現在は使用していないが、ローゼズ脱退の際にローゼズ側に譲ったという説や、来日公演の際に売却し、現在は日本のファンが持っているという話もある。

・Gibson Les Paul 1959

ローゼズの2ndアルバムでメインとして使用。

バンド名義で購入していたため、レコーディング終了後に売却され、現在はジョンの手元にはない。

・Gibson Les Paul 1957

ゴールドトップの1957年製レスポール。ローゼズ脱退後に結成したバンド、シーホーセズで使用していた。

この頃の年代のレスポールはピックアップがP-90だが、ジョンの物はピックアップがハムバッカーに交換されている。

ローゼズ再結成ライブでも使用された。

・Gibson Les Paul Custom 1959

3PUのレスポール・カスタム。いわゆる、「ブラック・ビューティー」と呼ばれるタイプ。

シーホーセズのツアーで使用され、1996年に開催されたOasisのネブワース・パークでのライブにゲスト出演した際にも使用していた。

・Fender Telecaster 50s

50年代のテレキャスターで、色はホワイト。

ソロライブで来日した際に使用。

・Fender Stratocaster 58~59

こちらもソロ来日公演で使用された。

3トーン・サンバーストで1プライピックガード。メイプル指板で、この年代のストラトのボディは基本的にアルダーだが、ジョンのこのストラトはアッシュのような木目も見られるが、どちらかは不明とのこと。

AMP

アンプは初期を除き、ローゼズではメサブギーを中心に使用している。ソロ来日公演の際はJCM900やVOXのAC30を使用。

ローゼズ再結成でもアンプはメサブギーを使用。

・Fender Twin Reverb 70s

70年代のツイン・リバーブ。

所謂銀パネル。ローゼズ初期~89年のツアー中まで使用された。

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・MESA BOOGIE MARKⅢ

89年のツアー中からはメサブギーのアンプを使用。

初期はコンボタイプのMARKⅢを使用していたが、後にラックタイプのQuadpreampがリリースされ、こちらにはMARKⅡとMARKⅢのリズム/リードチャンネルが搭載されていたため、こちらを使うことに。

セッティングはVOL6/7、TREBLEが7、MIDDLEが2、BASSが4、MASTER VOLUMEが2、LEAD GAINが5、LEAD MASTERは3。

ローゼズの1stツアーではセッティングはほとんどこれで共通。

・MESA BOOGIE  Quadpreamp

後にコンボタイプのMARKⅢからラックタイプのこちらに切り替わった。

セッティングは共通。

・MESA BOOGIE SIMUL 295 STEREO POWER AMP

ウォームでリッチなClass AとMesa Boogie 独自の技術であるSimul Classの切り替えが可能な60w(Class A) or 90w(Simul Class)出力のステレオパワーアンプ。

・MESA BOOGIE 4X12 CAB

・MESA BOOGIE 2X12 CAB

ともにキャビネット。

まとめ

初期こそグレッチやストラトを使用していましたが、本来、ジミー・ペイジからの影響が特に強いことから、途中からレスポールを多用しています。

プレイスタイル的にもオーソドックスなため、機材もシンプル。すでに販売が終了していても中古で手に入りやすい機材も多いため、再現は簡単でしょう。

エフェクター編へ続きます。