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この旅中、本当に早起きすることが多い。

6時台に目が覚めることもしばしば。

朝食は大抵8時からなので、それまで少し待つことになる。

 

片付けをしたり、二度寝したり、情報収集など・・・。

朝食はバイキング方式。パンが3種類ほど、生野菜、フルーツ、ハム、ヨーグルト、シリアルなど・・・。

コーヒーとオレンジジュース、どちらがいいと聞かれたためコーヒーを。

 

朝食を食べ、まずはベルリンの壁の資料館に向かってみることにした。

詳しい背景を理解し切ることは難しいけど、当時の状況や色々な困難、ある程度の裏側を知ることができた。

 

どこへ行こうか迷っていると、デヴィッド・ボウイが70年代に暮らし、名作を残したベルリン時代に使用していた「ハンザ・スタジオ」が近くにあることに気づく。

SUGIZO、清春、吉井和哉、チバユウスケ、浅井健一、そしてhide。・・・高校時代から影響されたミュージシャンが軒並み影響されたと名前を挙げているのがデヴィッド・ボウイだった。

僕が聴き始めたのは彼が亡くなる2ヶ月前のこと。

「ジギー・スターダスト」からだった。

その後良さがわかるが、この時は「スターマン」くらいしか良さがわからなかった。

以前の仕事を退職し、帰りにCDショップに向かった際、彼の新譜「ブラックスター」が発売されていた。

興味はあったが、その際は手に取らなかった。

しかし、翌日、唐突に彼の訃報を聞くことになった。

そこから、彼に触れる機会は増した。

そして、NHKで放送された「新・映像の世紀」のエピソードで、1987年の「グラス・スパイダーツアー」において、ベルリンの国会議事堂のすぐ近く、ベルリンの壁を背にしてコンサートを行った模様が放送された。

その時初めて、「Heroes」を聴いた。

スピーカーの1/4を壁の向こう、東ベルリン側へ向け、姿もステージも見えないにも関わらず、熱狂する数、数千人。

思えば、彼が僕にとって特別なミュージシャンになったのは、ここからだったと思う。

そんな彼が使用したスタジオ・・・。

確かに、ベルリンの壁からそう離れていなかった。

その割には大通りから一本入ったところにあり、静かだった。

しかし、入り口がわからない。

一回はレストラン?という佇まい。(後から調べると、ダンスホールのような建物だったらしい)

外にボウイの3D肖像画はあるのだが・・・。

うーん・・・と思い調べていると、搬入なのだろうか、水や色々なものを積んだカートが入っていき、正面ドアが開いた。

ちらっと覗くと、「Hansa Studios」のプレートが貼られた壁が見えた。

ここだ。

入っていき、写真を撮る。

スタジオは4階。

エレベーターで登っていき、スタジオ正面の扉の前に立った。

 

不思議だった。

3年前までは遠い世界、もう死ぬまでに行ければいいやくらいに思っていた、憧れのスタジオの扉の前に自分が立っている。

リアリティが無い・・・。

見学ツアーもあるそうだが、入り口の写真を撮って立ち去った。

ここでレコーディングしたい、とは恐れ多くて思わなかったが、中を見て参考にしたいとは少し思った。

その後、すぐ近所にあったベルリンの壁の別の箇所を見にいった。

土産物屋が多い。

↑ベルリンの壁が売ってた。笑

 

チェックポイント・チャーリーを写真に撮り、あらかた回りきった。

次は・・・決めかねていたが、目をつけていた町外れの古着屋にまだ行っていないことに気づき、バスに乗り込む。

地下にあったが、仕切りがないため非常に広く、そして値段も手頃だった。

店内は80年代のニューウェーブが絶えず流されている。

ブラウン管からはその年代のMVが流れていた。

キュアーのロバートスミスやスージーアンドザバンシーズの写真も貼られている。

店員も白いドレッドのお姉さん、「Ashes to Ashes」のMVのボウイのような雰囲気のドレス着たお兄さんなど、デカダンな雰囲気を醸し出していた。

とはいえ入りにくいということはなかった。

服のジャンルも多岐に渡った。

その後も色々な古着屋に行ったけど、今のところここが世界で一番自分の好きな古着屋。

※残念ながら2020年11月ごろに閉店してしまったようです。

 

ここで、シープスキンのレザーライダースを手に入れた。

装飾はほとんどなし。シルエットが非常に綺麗で、値段も10ユーロ(レザーライダースの10ユーロコーナーがあった)。

即決だった。

※結局レディースなのでやはり僕には着丈が短く、母にあげました。

 

さらに、ストールも山のようにあった。

ワゴンをほじくり返し、最近のヨウジヤマモトの雰囲気にも近い、毒気のあるストールも手に入った。

あとはキャスケットやロングブリムのハットが欲しかったが、ほとんど見つからない。

唯一、ベレーキャスケットがあったので、それを購入した。3点で20ユーロ。

良い買い物だった。

その後、現代美術館へ向かうものの、チケットがソールドアウトしていた。

資料だけかっさらい、ホステルへ戻る。

朝、臨時休業と言われたコインランドリーが開いていた。

もう洗濯は完全に限界だったため、即向かった。

やっと洗えた。

夕食はホステルで同室の日本人に教えてもらった、ドイツ料理の店へ向かう。

皮付きソーセージ2本と、ポテトサラダ(と書いてあったが、実質的にジャガイモのソテー)。

かなり多かったが、美味しかった。

その後、ブランデンブルグ門を見に行く。

夜はライトアップされて美しい。

ホステルに戻り、ウェルカムドリンクのビールをもらい、一杯だけやって寝た。