4/24
朝目覚め、前日にも行った市場のパン屋でパイを食べる。
餃子の中身みたいなのを包んだパイを頼んだつもりが、結局これも甘かった。
とりあえず出発は12時。それまで散策。
チトーの花の家でも行こうと思ったが、疲れもあり断念。
ホステルへ戻りロビーでまったりしていたら、猫のジーナが膝の上に乗ってきた。
本当に人懐っこい、可愛い猫。
高校の頃、友達の家の猫に引っかかれたことがあり(俺が悪い)、すこし猫に対して抵抗があったが、この子はそれを変えてくれたような感じがした。
そんでまったり。
少し早めに、11時ごろに行くことにした。
何せwifiも無いし、バスの案内もなければ、どこの停留所ナンバーかも不明なので、少し早めに行って調べておきたいと思ったからだ。
何せ、ここでコソボの話はNGである。
プリシュティナに行くことはホステルのスタッフには伏せておいた。
わざわざ言って、余計な緊張を産むのも嫌だったからである。
バス停。
なぜかベオグラードのバスターミナルは入るときにコインが要る。チケット買うときに一緒に渡される。
それを入れ、ゲートを超える。
やはり案内は無し。
みんな、どこ見てバス停乗ってるんだ…
とりあえずチケットに書かれた情報から読み取る。 10…?これか?
とりあえず10番の停留所で待ってみる。11時半ごろ、小さいバスがやってきた。
出てきた運転手に聞いてみる。
しょうがなく、しかめ面食らうのを覚悟で運ちゃんに聞く。
「プリシュティナ 行きのバスってどれ?」
「とりあえずここで待ってな」
そのバスが行った後、少し大きめのバスが来た。
前面にある行先の案内ボードを見る。「pristina」の文字が見えた。
乗り込んだ。
一応指定席なのだが、よくわからない…困った風に見えたのか、最前列のご婦人が「チケット見せて!…ああ、ここはその席よ」と教えてくれた。
正直、セルビアとコソボの関係は少しかじった程度とはいえ、緊張状態なのが今もわかる。
そんな中プリシュティナに行くバスなぞ、もう密入国移動するレベルだと思ったのだが、意外とそうでもなかった。婆ちゃんや爺ちゃん、おっちゃんもおばちゃんもいれば、若いお姉さんも要るし、イメージよりは明るい。
となりにはおばちゃんが。
道中、少し話しかけられたが、セルビア語しか話せないようだった。
ベオグラード中心部から離れると、もうど田舎。右も左も畑である。
途中、バスが急に止まり、何事だろう、パスポート回収かなと思って、こんな時のために父から借りたハロートークで聞いてみる。
「ここでパスポート見せるの?」
音、でかい…恥ずかしい(
反対側の席に座っていたお姉さんが「違うよ」、と口に二本指を当てて、離した。
タバコである。
運転手がタバコ吸いに出かけたため、止まったという。
…緩い…。
しばらくそんな景色を眺めていると、トイレ休憩でモーテルについた。
しめた、ここのモーテルのwifiは使えるのである。受け取ったLINEやTwitterのリプライを返す。
日本の高速バスだと10〜15分程度だと思うが、ここはもう少し長かった。多分、20分ちょい止まってた気がする。
再び出発。
また、だらだらした雰囲気で外を見る。
コソボとの国境が近くなるにつれ、農村部に入っていった。
のどかで、とても国境付近とは思えなかった。
街は静かで、家は大きく、よくある農村部。
国境自体は山の上にあったのだが、登り始めるまで、本当に普通の、のどかな農村部の風景であった。
しかし、国境はやはり雰囲気が違う。
ただでさえ緊迫している国同士の国境である。
バスから降りずにイミグレを済ませることができたが、物々しい雰囲気はガラス越しでも十分に伝わった。
コソボ入り。
イミグレが終わると、バス内の雰囲気もいくらか和らいだ気がした。
最後の休憩。
↑なぜか青いファンタ。味は普通のオレンジだった
風が乾いている。
コソボでは英語が目につく。
一応公用語は(アルバニア人が多いので)アルバニア語なのだが、NATOが介入したことも関係しているのだろう。
そして、携帯が通じる!
コソボはスロベニアの通信会社を通している関係でか、ThreeのSimが使えた。
これは嬉しい誤算だった。ベオグラードがダメだったので、もうクロアチアまではwifi頼りかと覚悟していたので…。
プリシュティナに到着!
バス停に着く。
相変わらずタクシーの客引きが多い。
しかし酷い。白タクなのはわかるが、明らかにフレーム歪んでて扉が閉まらない(鍵じゃなくて扉)奴とか、サイドバンパーが取れてそのままの奴とか、とても恐ろしくて乗れないようなのばかりであった。
後から調べると、ゼッケンの如く会社名と携帯電話名貼り出してるタクシーなら大丈夫だったそうだが…
17:30到着予定が、イミグレで手間取った(僕が原因ではないです)せいで、すでに19時前だった。
宿まで徒歩でも30分ほど。
「歩くか…」
しかし、見られる。こんなところまで来るアジア人は珍しいのだろう。
ジロジロ見てくる人の数はベオグラードの比ではない。
確かに、宿でも、街中歩いてても、日本人どころかアジア人は僕一人だったように思う。
紛争のイメージとは裏腹に、もはやほとんど面影もなく復興したプリシュティナのメインストリート。若者が多く、活気があった。
近所のスーパー。
泊まったホステル。今コソボはどうなっているのだろう・・・。
メインストリートその2。
チェックインを済ませ、周辺地図とお勧めの場所を教えてもらい、街をふらつく。
大通りではブートのサングラスや服が売られている。
「コソボには古着屋が多い」という情報を元に歩き回ってみたものの、ある事はあるが、レディースばかりの上、これ!と言うものはなかった。
仕方なく勧められたアルバニア料理の店に行ってみる。
確かに安く、美味い。ラキア、きゅうりの冷製スープ、サラダ、チキンとマッシュルーム。12ユーロ。値段もお得。そして量も多い。
ラキア自体が40度くらいある酒のため、久々にアルコールを体に入れた事もあり、かなり酔った。
宿に着くと、ギターを見つけた。
少しの間弾いていたが、疲れていたこともあり、眠りに落ちた。