チバユウスケの機材
チバユウスケの機材について。
アンプ、エフェクター編はこちら
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT時代はギターパートをほとんどアベフトシに任せていたため、レコーディングでは一切ギターを弾かず、ライブではギターを弾いていても音が出ていなかったり、「世界の終わり」や「ジプシー・サンディー」などの一部の曲でバッキングを担当するに留まっていました。
しかし、ROSSO以降、The BirthdayやGOLDEN WET FINGERSではハンドマイクで歌う時以外、殆どの曲でギターを弾いており、レコーディングでもギターを弾いたり、音もしっかりと出ています。
チバユウスケのサウンドの要はやはり、長年使用しているGRETSCH 6119-1962 TENNESSEE ROSE。フィルタートロンピックアップの煌びやかな音が特徴的。
アンプはミッシェルの頃やThe BirthdayではFender Hot Rod Deville、ROSSOの初期やTHE GOLDEN WET FINGERSではJCM900。
なお、チバユウスケはアンプのセンドアンドリターンを使用しているため、エフェクターボードを組みながらもアンプからカールコードをギターにつないでいます。
再現するなら
ギターはなるべくグレッチ系。
できれば本人と同じテネシーローズ。
ただ、新品で30万円前後、中古でも10万円後半程度なので、廉価版のエレクトロマチックシリーズでも良いと思う。
さらに近づけたい場合はPUのみ本家のフィルタートロンに換装するといいかもしれない。
アンプはフェンダーのチューブ系。
本人はHotrod Devilleを使用しているが、Blues jrでも事足りると思う。というかdevilleはフルチューブ仕様なため、アッテネーターなど使用しない限り自宅では使いづらい。
※記事内の写真は2013年に開催された「TMGE SHIBYUA RIOT!」で筆者が撮影したもの。
GUITAR
・Gretsch 6119-1962 Tenessee Rose FT
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT時代、99年ごろから使用。60年代~70年代初期のPX6119 Tennesseanを復刻した現行品で、バンドが変わってもほぼメインギターを務めている。
メインとサブの二本所有しており、メインのものはボリュームがドクロノブ、トーンノブがサイコロノブに変更されている。
6119-1962はFホールがペイント、つまり開いていない仕様で、薄めのボディも相まってハウリングにも強い。ヴィンテージの6119テネシアンはハイロートロンというシングルコイルが搭載されているが、チバのテネシーローズはフィルタートロンという、6120やホワイトファルコンにも搭載されている代表的なハムバッカー。グレッチらしい、煌びやかな音。スタンバイスイッチはカットされ、ビグスビートレモロはB-6からB-3へと変更されている。
90年代のテネシーローズはフェンダーによる買収前のため、現行とも微妙に違う(ボディのサイズなど)。
・G6119T-62TB-YC Yusuke Chiba Tennessee Black with Bigsby
2019年に企画、販売されたチバユウスケモデル「Tennesse Black」ではこちらの90年台のスペックを基に製作された。
見た目はまんま黒いテネシーローズだが、内部のセンターブロックがなかったり、ロゴやノブのデザイン、ストラップピンやブリッジ部分、ジャックプレートなどは過酷なツアーにも耐えられるように実用的にカスタマイズされている。
本人も語っているが、黒系のグレッチギターは6120やブラックファルコンなど様々なモデルがあるものの、どれも煌びやかで派手なデザインなこともあり、そもそも6120の廉価版として発売されたテネシアンのコンセプトに近く、燻銀なイメージとなっている。
50本限定販売だったこともあり、予約段階で完売。再発が待たれている。
・Grestch G6119 Tennessean ’62
オリジナルテネシアンも所有。62年製と67年製を所有しており、62年製は縁取りのないFホール、ピックガードには「CHET ATKINS TENNESSEAN」の文字、ハイロートロン、ビグスビーにはB-6を搭載。
67年製はほぼチバユウスケ、イマイアキノブ、中村達也により結成された「THE GOLDEN WET FINGERS」においてメインで使用。近年の活動では335にメインが変わったが、以前の活動ではメインで通していた。ブリッジをギブソンのものに変更した以外はほぼオリジナル。
チバのテネシアンは茶色系統で、バーガンディとはまた違った渋さを感じさせる。
日本でテネシアンといえば浅井健一だが、彼の代表的なモデルは64年製で、チバのものとは色合いや仕様などが若干異なる。
・Gretsch G6136-58 Stephen Stills WHITE FALCON
・Gretsch G7594 WHITE FALCON
二本所有しているが、よく使用されるのがシングルカッタウェイの前者。
クロスビー、スティルス&ナッシュ(ヤング)のスティーブン・スティルスのシグネイチャーで、マシンヘッドですべてゴールドパーツという、とても派手なモデルだが、クリームがかったエイジドカラーで、新品でもヴィンテージ感が出ている。
もともとはピックガードがつかないタイプだが、付属でスティーブン・スティルスのサイン入りピックガードも付属している。チバは取り付けて使用。
ダブルカッタウェイのG7594は最近ではあまり使用されないが、ミッシェル時代はよく使用していた。
FUJI ROCK FESTIVAL’00の最後の曲「世界の終わり」のラストで地面に放り投げたのが印象的。
2013年に開催された「TMGE SHIBUYA RIOT」でも展示されていた。
・GRESCTH G6185 Clipper
6120などの王道とは少し変わったモデル。サンバーストでフルホロウタイプ。ボディ、ネックともにメイプルで、58-75年まで生産された。
60年からはハイロートロン1PU仕様だったが、72年からは2PU仕様に変更。
黒いピックガードが特徴的。
チバのモデルは2PU仕様の72年製で、3年間しか製造されず市場でもほぼ見かけない。
少しネックが曲がっている感じがするとのこと。The Birthdayの「カレンダーガール」のPVやレコーディングで使用。
現在は友人に譲ったとのこと。
・GRETSCH ASTRO JET
グレッチのギターの中でも少し変則的なモデル。
JETシリーズだが、同社のDuo JetやJET Fire bird、Silver JETとはかなり違うシェイプ。
64-67年まで製造された。
レトロフューチャーとまではいかないにしても、かなりビザール感のある形。
ヘッドもペグが4+2と変則的。ダブルカッタウェイでボディはマホガニー。
スペースコントロールブリッジを搭載し、ビブラートユニットはバーンズ(イギリスのギターメーカー)のストレートアームタイプ。
トーンはミッド、ノーマル、ベース。
ボディトップはレッドだが、バックはブラック。
ピックアップもスーパートロンというハイパワーで特殊なタイプ。
見た目より幅広い音作りができそう。
・GIBSON ES-335TD
近年、THE GOLDEN WET FINGERSで使用されている70年代製のブラックのES-335TD。
ベースレスバンドのGWFではギター二人がベースパートも担うため、グレッチよりも335のほうが合うとのことで、レコーディングやライブでメインを張っている。
トラビーズテイルピースが特徴で、パーツはすべてクローム。いぶし銀な雰囲気を醸し出している。
・Gibson ESー355
サブで使用しているES-355。
ビグスビーがついていて、ストーンズのキース・リチャーズの355を彷彿とさせる。音が若く、まだ使いこなせていないそう。
現在はスタジオ練習で使用中。おそらくこちらは現行品。
・L’S TRUST MARIA
主にレコーディングで使用されている、川崎と世田谷に事務所があるリペア/カスタムギターショップ「L’S TRUST」製のMARIA。代表の小田氏が2011年ごろにチバにプレゼントしたもの。
ES-335をベースに、トーンやボリュームをそれぞれ1つずつにし、ナットはブラス。ピックガードにはその名のとおり聖母マリアが描かれている。
The Birthdayのシングル「抱きしめたい」のMVでも使用。
・Airline
THE WHITE STRIPESのジャックホワイトが使用していることで有名なアメリカのギター、エアライン。
チバは99年のツアーにおいて、テネシーローズのサブとして白いタイプの3PUタイプを使用していた。
・Fender Japan Jazzmaster
チバはデビュー当時、Fender Japanのジャズマスターを使用していたのだが、TMGE時代のチキン・ゾンビーズ・ツアーの98年1/31の赤坂ブリッツ公演のステージ上で破壊。
その翌日の赤坂ブリッツ公演では、イタリアのEkoというメーカーのジャズマスタータイプのギターを使用。
こちらも99年のWORLD PSYCHO BLUES TOURファイナルの横浜アリーナ公演で破壊され、その後、GRETSCH TENNESSE ROSEがメインになった。
・GIBSON Humming Bird ’68
ギブソン社の代表的なアコースティックギター、ハミングバード。赤いチェリーサンバースト、ピックガードの花とハチドリが目立つ。チバと同い年の68年製。PUが搭載されており、サンライズS-2を搭載。
まとめ
チバユウスケのギターをご紹介しました。
ほとんどがグレッチのギターで、ライブでもレコーディングでも使用。
特に最近のThe Birthdayの楽曲ではグレッチサウンドがモロに鳴っていることが多く、今のチバに欠かせないギターと言える。
特に限定販売されたこちらのライブ盤は生々しいライブテイクで、楽器の音も堪能できる。