朝、目が覚めたのは6時半。そろそろ、洗濯しなきゃなあ、とか思っていたが、ここには洗濯機は無さげ。どっちみち今日の夜にはローマからセルビア・ベオグラードへ移動。次のホステルに洗濯機があるのはわかっていたので、とりあえずギリギリなんとかなるのを確認後、朝食を食べに地下へ降りた。
メニューは昨日と同じ。
昨日はパインジュースを飲んだが、今日はリンゴ(系?)ジュースを飲んだ。
昨日殆ど周り切ってしまい、あまりにもデカすぎるローマに疲れ果てていたこともあって、どこへ行こうか決めあぐねていた。
「とりあえず、楽器屋でも行くか…」
台湾でもやったが、現地の楽器屋と古着屋巡りも楽しみの一つ。 ただ、ローマは殆ど古着屋は無いか、あっても高いようだったので断念。
そして、1年目の楽器屋に行ってみたのだが…
休み。
またイースターの影響(だと思う)である。
もう仕方ないので、今日は通常営業だろうとタカをくくりバチカンへ向かう。
途中、露天が開かれていた。
古着のレディース服が大半で、荷物になるからと最低限の服しか持ってきていなかった事もあり、イタリア人のレディースでもサイズは合うが…と悩んでいたら、レザージャケットが山積みされたブースを見つけた。
殆どレディースだが、サイズの合うものもあれば、でかいものもあった。
三つほど良さげなものがあって、一つはシープレザーの黒いスタンドカラーシングルライダース。ストロークスのファブが着ていたようなやつで、サイズも抜群にジャスト。
一つは、やや濃いめのブルーの襟付きカウレザーライダース。裏地はサイケ模様が描かれており、ビートルズのメンバーがハンブルグ時代に着ていたような…最近だと、アークティックモンキーズのアレックスが「AM」の頃着用していたようなシェイプ。
こちらは少し大きめで、丈も短め。
三つ目は、テーラードジャケットに近い形で、明るめのブラウン。少し大きめだったが、丈が長めで落ち感が良かった。
ストロークスのジュリアンが2015年のハイドパークで着ていたような雰囲気。多分カウレザー。
大いに迷った。
なにせ、全て10ユーロ(1300円)ほどで、全てイタリア製。
何度も試着し、どうしようか迷った。
しかし、どれも買わなかった。
もちろん理由はある。
まず、まだ旅の序盤であり、荷物になる事。
次に、旅の過酷さ。前後のバッグで7キロ近い重量を毎日運んでいる。こんなの、帰る頃には折角気に入ってもボロボロになる。
値段よりも、気に入った物をより良い値段で見つけたことによる喜びの方が大きい僕にとって、それは耐えられなかった。安ければボロボロになってもいい、というのは嫌だ。
泣く泣く諦めて、パンテオンの内部に入っていなかったことを思い出す。
ちょうど雨が降ってきた事もあり、雨宿りも兼ねて中に入った。
天井が丸く開けられており、ガラスなどもないため、日が差し込んでくる。
そして、雨も差し込んでくる。
うまいことこれを避け、雨が止むのを待つ…
が、一向に止まない。というか、強くさえなっている。
外に出ると、傘売りのおっちゃん達が居た。
折りたたみ傘は5ユーロ、ポンチョは2ユーロ。
正直、すぐ使い物にならなくなりそうなバタバタの傘であったが、ないよりはマシと購入した。
というのも、理由はわからないがローマの雨は茶色いのである。
持ってるボディバッグ、着ているソフトシェル、街に停められた車まで、茶色く染まる。
日本でいう花粉や黄砂がこちらにもあるのか、くしゃみも鼻もグズグズしていた。
その後、バチカンへ向かったのだが、途中の露天に良いサングラスがあった。
こちらに来た時からサングラスを探していたのだが、いまいちシルエットやカラーが気に入らず、どれもパスしていたのだが…たまたま、サイズもカラーも良いサングラスを見つけた。
街中ではこの手のは5〜10ユーロほど。
それくらいだろうと思って、いくら?と聞いてみた。
「5…ユーロ」
「5ユーロか、安いな、ちょうだい」
首を横に降る店員。
「50ユーロだね」
ぼったくりというレベルではない。
露天のサングラスが50ユーロである。
「高っ!そんな金ない!なら要らんわ!」と突っぱねて帰ろうとしたら、「ブラザー、悪かった、25でどうだ?」
(まだ高えだろこれ)
えーー?!という顔をしていると、
「じゃあ、いくらがいいんだ?」と言われた。
相場から言うと10ユーロが妥当であると思い、それを伝えると
「マジかよブラザー、頼むよ、25で…」
嫌だ。ここでわけわからんサングラスに25も出すなら帰国してメルカリで倍出してレイバンでも買う方がいい。
「10!」
折れるつもりはなかった。たしかにここのサングラスはここにしか無さげな物だが、25は明らかに高い。
すると、店長らしき人と交渉してくれ、という。
「10がいい」
「いいよ、10で」
あっさり折れられた。
一体、なんだったんだろう…
だって、常識で考えれば50の物が10にまで落ちるわけがないのである。
しかし、落ちた…つまり、元々は5か10ユーロほどの価値で、それを上回った分が売り子の手に入るのであろう。
多分。
その後、また散策し、朝預けた荷物を回収しにホステルに向かった。
ローマのテルミニ、中央駅からフィウミチーノ空港へ向かう。
ここもミラノに負けず劣らず広い。
もっとも端にあったフィウミチーノ空港直行のホームへ走る。
ゲートがある。チケットは無いがクレカが使えそうである。
あれ?差込口もスラッシュもない
非接触型…?まさか
チケットが必要だった。
しかし、すぐ近くの券売機を見てもチケットは無い。
その辺の係員に聞く。
「フィウミチーノ空港行きたいんだけど、チケットってどこで買うの?」
「新聞屋の横だ!」
たしかに券売機はあった。
あと3分。
走る。とにかく走り、クレカを差し込み、チケットを買う。
振り向くとーーーーー
列車は既に行ってしまっていた。(`;ω;´)
時間はまだあったが、待つのも面倒だった。
が、すぐに次の列車が滑り込んできた。
飛び乗る。外は雨。
40分ほどを経て、フィウミチーノ空港に到着する。
eチケットを搭乗券に変え、早めの晩飯にする。フライトは20:55。
様々な料理が楽しめる。
CDもたくさん。
馬鹿でかい、バカ高いチキンカツを食べ、ボーディングを済ます。
関空では何も言われなかったが、フィウミチーノでは
「パソコンが入ってたら荷物検査の前に出してね」と言われた。
機械の前で。
機械の前である。
やっとの思いで詰め込み、ジッパーを閉め、TSAロックを掛けたバックパックを暴いた。
「ほい!」
身体ゲートをくぐる
「ビー!」
係のにいちゃん「靴だわ、脱いで脱いで」
ドバイのボーディングもこれだったな…
一々身ぐるみ剥がされる。
シークレットポーチも引っかかるため、外す。
毎度思うのだが、シークレットポーチ外したらもうシークレットではないのである。
まあ、仕方ないが…。
とかなんとか文句言いながら、無事、飛行機に。
機内では水と、おっとっとをビスケットにしたようなお菓子が配られた。
1時間ほどでセルビアに到着。
既に市内までのバスは無く、タクシーで移動。
客引きが多い中、事前に読んでおいた先人の話から、空港のタクシーカウンターで行き先を告げ、それをタクシー運転手に見せる。
空港からは高速に直結。
飛ばすわ飛ばすわ。140キロでぶっ飛ばされ、恐ろしいことこの上ない
とりあえず宿に着く。暗い通りで、落書きも多い。怖い…
しかしホステルの人たちは皆優しく、丁寧に対応してくれた。
チェックイン済ませ、シャワーを浴び、撃沈。
|
旧ユーゴ圏の旅行記楽しみにおまちしています。
バルト三国からバルカン半島へ陸路移動してみたいです
お読みいただいてありがとうございます。
旧ユーゴ辺は割と苦労したりもしたのですが笑、今となっては良い思い出です。
と同時に、簡単に行けない状況になってしまいましたね…いつかまたセルビアやボスニアに行きたい…いえ、行きます。