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ベトナムのにいちゃん達は早朝、発って行った。
ここのホステルは朝食がある。
パンが二種類、パンケーキが二種類、ヨーグルトとシリアル、それにジュースとコーヒー、牛乳。
物価の高いイタリアでこれは大変ありがたかった。
別の客はタッパーにパンを詰めてたりもした。
朝からとりあえずバチカンに向かう。
混んでいる上セキュリティチェックに時間がかかると聞いていたが、日曜朝9時過ぎに既に長蛇の列。
さすがはバチカン。人やべーなと思っていたら、1度目の警察によるセキュリティチェックの後、空港の荷物検査レベルの設備で2度目のチェック。
サン・ピエトロ広場には数万人の人が集まっており、なんかのイベント?と思いながら先へ進んだ。
広場には左右にビジョンが設置されているのだが、目をやるとテレビの向こう側でしか見たことの無い人物が映し出されていた。
「…あれ、まさか…」
人が集まり過ぎてて3G回線も激重。
微かに掴んだ電波で答えは出た。
キリストの復活祭にかちあたった。(ローマの建国記念日でもあったらしい)
つまり、壇上で話していたのは他の誰でもない、ローマ法皇だったのである。
クリスチャンでも何でもない野次馬根性もいいとこだったが、式典はやはり独特なムードに包まれていた。
写真をパシャパシャ撮る観光客、熱心に膝をついて祈りを捧げる敬虔な信者、そこまではしないが共に歌う信者。数万人もいれば千差万別であった。
その後、しばらく見た後足を近くの城へ向けた。中には入らなかったが、石造りの建物というのは質量が大きいからか、威圧感がある。
バチカンは世界一小さな国と言われるが、別に国境があるわけでもない、というか、地下鉄も通っているし、徒歩でもふつーにいける。
周辺は土産物屋や食べ物屋でいっぱい。聖地だが、観光地でもある。
ツイッターのフォロワーさんに「ロザリオ買ってきて!」と頼まれたのだが、もうこれがとんでもないシロモノだった。
1ユーロで一個。物自体もちゃっちいが、本来はマリアが象られているはずの箇所に、現法皇のフランシスコの写真が貼ってある。
恋人の写真を入れるロケットとの差が、僕には全くわからなかった。信仰の対象が変わっとらんか、これ。
しかも、10ユーロで12個入りのもあった。
バラマキ用土産である。
信心も何もあったものではない。
こんなもん買って付けていた日には、祈ったとしても救いに現れるのはキリストではなく聖お兄さんくらいである。
大体、バチカンオフィシャルではないので、当然ながらフランシスコはもちろん、バチカンもノータッチ。
扱い的には日本武道館ライブの門の外で売られてる非公認バッタグッズと同じである。
もちろん、ちゃんとした作りのロザリオも売られてはいたが…
その旨をフォロワーに伝えると、ロザリオってそんな感じの扱いか…と呟かれ、画面の向こうに苦笑いが見えた。
その後コロッセオもやトレビの泉、パンテオンも行ったものの、「地下掘ると遺跡が出るから地下駐車場が作れない」と言われるほど、街中全てが遺跡のような佇まいのローマだと、真新しさも何もなかった。
人の多さと石畳に疲れ、14時ごろホテルへ戻った。
セルビアまでの飛行機のチケットの確保と宿の確保を終え、晩御飯を探しにホステルを出た。
近所に安いファミレスのようなピザ屋があると聞き、向かってみる。
しかし、暗い。電気がついていない。
「休みか…」
その後も周辺を当たってみたが、カフェとバーくらいしか空いてない。
多分、イースターで休み。
飲食店が軒並み閉まっていたのである。
隣の駅まで行ったが、バスターミナルがある駅の周辺の治安があまり良くなく、屯してるにーちゃんに話しかけられたり(完全無視しました)、やってる店は観光客が入るには8年くらい早いような怪しいケバブ屋くらい。
仕方なくホステルへ戻り、受付嬢に「どこも開いてなくってさ…イースターだからかなー?」と泣き言を言うと、「じゃあまだ、何も食べてないの?」と言われ頷くと、哀れに思ったのかバックヤードから6枚入りクラッカーを一袋持ってきて、僕にくれた。
あまりの侘しさに、「一体俺はここで何してるんだ?」と一瞬考えてしまった。
しかし、やりたくて、出たくて出た旅である。
その考えをすぐに振り払い、シャワーを浴びて寝た。