X JAPAN PATAの機材
X~X JAPANのギタリスト、PATA。
ヴィジュアルもド派手なもう一人のギタリストであるHIDEとは違い、初期こそ赤髪にモヒカンでライダースジャケットという、ハードコアの人かというヴィジュアルだったものの、Xの2ndアルバム「Jealousy」の頃からは70’sハードロック寄りのヴィジュアルになり、現在までそれを貫き通すPATA。
2016年には体調を崩し入院するなどしましたが、10月のVISUAL JAPAN SUMMITのX JAPANのステージにて見事復帰。創設メンバーであるToshlとYOSHIKI以外では、既に最も古参のメンバーであるPATA。地味だけど派手な彼の機材に迫ってみたいと思います。
機材は基本的にオールドレスポールにオールドマーシャルのアンプ直結サウンド。大掛かりなエフェクト類を使用するHIDEやSUGIZOなどとは異なり、ラック類などはほぼ使用せず、エフェクターも必要最低限にまとめられている。
GUITAR
・Gibson Les Paul Standard ’59
Xの2ndアルバム「Jealousy」のレコーディングで渡米した際、現地のギターショップで購入。PATAは「本妻」として愛用している。
当時は2万ドルほどで購入したが、現在では数千万円。10倍以上値段が上がっている。
ギブソン・レスポールの中でも最高級の部類に入る。
ピックアップはP.A.F。非常にレアなゼブラカラー。
有名な話だがHIDEの所有していたレスポールスタンダートとは型番が数番違いであり、同時期に制作された物だという。
購入してからはレコーディング/ライブで半音下げチューニングのメインギターとして使用されていたが、2009年以降はステージで使用されておらず、2012年に発行された書籍「ギブソン・レスポール・コレクション」のPATAのインタビューによれば、高額な上保険もかけられないため、持ち出すことをやめて主に家弾きで使用しているとのこと。
現在は不明だが、DAHLIA TOUR時にはもう一本、59年のレスポールがサブに用意されていた。こちらは一度ネックを折ってしまったとのこと。
・Gibson Les paul Standard ’55
55年製のレスポールスタンダード。
こちらはレギュラーチューニングのメインとして使用している。
もともとはPATAのギターテックがLAで購入したものだが、PATAはX JAPANのライブで借りて使用していた。
その後PATAのほかのレスポールと交換したとのこと。
もともとはゴールドトップのカラーだったが、塗装がはがされていることから、「ハゲ」と呼ばれている。
もともと55年製のレスポールスタンダードのピックアップはP-90(シングルコイルながら太い音が出る独特のピックアップ。現在の相方であるSUGIZOが愛用している。)で、ブリッジはストップバー/テイルピースだが、ピックアップはトムホームズのH-453に、ブリッジは現在のレスポールにも搭載されているチューン・オー・マチックに変更されている。
入手した時点でネックはやや細身に削られていたとのこと。
・Gibson Les paul Custom ’73
73年製のレスポールカスタム。
PATAが18歳の頃から使用しているそうで、数回ネック折れ、フレットの打ち変えをし、消耗品もピックアップもトムホームズのH-453に交換されているため、オリジナルパーツはほぼ残っていないと思われる。
Xのインディーズ時代から使用しているのが映像でも確認できる。
常にPATAの傍らにおいてあるため、「常務君」と呼ばれている。
上述の59年製レスポールスタンダードを購入するまではこちらが半音下げチューニングのメインであったが、2017年時点で59年製を事実上引退させているため、現在では再びこちらが半音下げチューニングのメインとなっている。
・Gibson Custom collection Les paul Custom
2009年のX JAPAN東京ドーム公演で「JADE」を演奏する際に初登場。
以来、一音下げチューニングにて使用されている。
クラックが多数入っており、一見するとヴィンテージにも見えるが、2008年製。もともとエイジド加工なのか、レリック加工したのかは不明。ピックアップはおそらくトムホームズH-453。
PATAには珍しくホワイトのレスポール。
・Burny PATA MODEL proto type.
フェルナンデスのブランド、Burny製のPATAモデルである、エクスプローラータイプ。
限定販売も過去にされていたが、そのプロトタイプ。XではドロップDチューニングである「SCARS」や「BORN TO BE FREE」で使用している。
コリーナだけではなく、マホガニーバージョンも所有。
ギブソンのオールドエクスプローラーと同じく、V型のヘッド。(現在はバナナヘッドと呼ばれるタイプに変わっている)
材質はコリーナで、hideはこのギターに惚れ込み、フェルナンデスに当時愛用していたH-65と同じシェイプで材質をコリーナにしたものの製作を依頼。3rdアルバム Ja.zooで使用していた。
ピックアップはやはりトムホームズ。
2016年のVisual Japan Summitからはワインレッドのレスポール・カスタムも使用。おそらくヴィンテージ。
インディーズ時代はBurnyのレスポールも使用していた。(1996年でもサブギターとしてBurny LF-CUSTOMがスタンバイされていた)
ほかにもジェフベックモデルのストラトキャスター,ジャズマスター、ムスタングも所有しているが、所属バンドの音楽的な方向性から、ステージで使用されることはほぼない。
PATA自身ギターコレクターであり、hideがPATA宅に遊びに行った際には、「レスポールがいっぱい置いてあった」らしく、1stアルバム「HIDE YOUR FACE」では、その中から借りたレスポールも使用したそう。
アコースティックギターも所有し、戦前のCF.Martinやタカミネ、オベーションなどを使用。
AMP
・Marshall JMP ’68&74
メインアンプはオールドマーシャルのJMPが二台同時に鳴っている。
基本は74年製で作り、68年製で下の音を出してミックスしている。
レコーディングも同じ。
両方とも、マスターボリュームやセンド/リターンが増設されている。
クリーンサウンドはギター本体のボリュームを絞ることで出している。
キャビネットは
・FRIEDMAN 412 Vintage Cabinet
・FRIEDMAN JJ-100 Jerry Cantrell Signature Head
・Marshall Vintage Modern 2466
こちらはサブアンプとして用意されている。
以前はハイワットのcustom hiwattもクリーン用で使用。
EFFECTOR
ヘッドアンプの上に置かれたラックから
・KORG DTR-2000
・iSP Technologies Decimator ProRack G
ノイズサプレッサー。
・SAMSON UR-5DJ
ワイヤレスレシーバー。
足元
・VOX Clyde Mccoy Signature Wah
ヴォックスのワウ。
60年代のトランペット奏者であるクライド・マッコイの奏法をワウで再現したペダル。
・Providence PEC-2
プログラマブル・エフェクト・コントローラー。
簡単に言えば手持ちのエフェクターをつなげ、マルチエフェクターのように呼び出せるペダル。
ステージ袖のボード
・FREE THE TONE FLIGHT TIME
ディレイ。様々なプリセットが搭載された高品質ディレイ。
・MXR PHASE 100
フェイザー。薄めにかけていると思われる。
・Creation Audio Lab MK.4.23 Boost
クリーンブースター。
・BOSS TU-2
チューナー。
・Providence PEC-2
同上。
・KORG VOLUME PEDAL VP-10
ボリュームペダル。
・Providence/FREE THE TONE Custom AMP Selector
アンプセレクター
・DOD 240
ミキサー。
・Digitech Whammy 2
ワーミー。
基本的にはやはりアンプ直だが、ソロでブースターとディレイを踏み、曲によってはフェイザーをかける。
ワーミーはForever Loveでオクターブサウンドとして使用。
やはり音の志向はPATAの愛する70’sハードロック的な、オールドレスポールとオールドマーシャル。
そこに少しのエフェクト、という形か。
というかエフェクターにあまり興味がないらしく、曲に必要だから使っている、という感じだそう。
正直PATAと同じギターとアンプは相当ハードル高い。
普通にJCM800やJMPあたりのマーシャルにレスポールだけでもかなり近づけるとは思う。
エフェクト類は簡潔にまとめたければマルチエフェクターでもいいと思う。曲によっては全く必要ないわけで。
もし用意ができればトムホームズのピックアップが理想だが、現在生産が不安定とのことで、少し難しいかもしれない。